INTRODUCTION
一冊の文集「氷菓」が導く、学園史から消された事件の結末とは――
「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に。」をモットーとする“省エネ主義”の折木奉太郎は、姉の命で部員ゼロ&廃部寸前の古典部に入部する。
そこに“一身上の都合”で入部してきたのが、お嬢様の千反田える。
一度好奇心を刺激されると、「わたし、気になります!」と大きな目を輝かせ、誰にも止められない。
えるにひっぱられ、奉太郎の潜在的な推理力が開花し、学園に潜む謎を次々と解き明かしていく。
そんなある日、奉太郎はえるから、33年前に起きたある事件の謎を解明してほしいと依頼される。
旧友の福部里志、伊原摩耶花も加わって4人となった神山高校古典部員たちは、事件の真相に迫ってゆく――。
33年間封印され続けた一冊の文集「氷菓」の謎――その真実と、「氷菓」に込められた過去からのメッセージがラストに強烈な余韻を残す。